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異なるアプローチで美術館の多様さを見せるドキュメンタリー3本

当館では現在2本美術館を題材にしたドキュメンタリー映画を上映しています。
ここのところ、美術館に関するドキュメンタリーが立て続けに日本で紹介され、それぞれ話題になっています。3本とも異なるアプローチで、美術館がどういう場所で、どのような存在意義があるのか見せてくれる秀作です。
普段、美術館によく行く方なら同然楽しめるでしょうし、逆に美術館にはあまり縁のない生活を送っていらっしゃる方にも興味深い内容の3本です。3本とも見たら美術館に行きたくなること間違いなしでしょう。

1:みんなのアムステルダム国立美術館へ

(C)Pieter van Huijstee/Column Film

(C)Pieter van Huijstee/Column Film

<上映は終了しました>
かの有名なレンブラントの「夜警」を収蔵する、アムステルダム国立美術館の改修工事の顛末を描いた作品です。2004年に閉館し、2008年には再オープンするはずだったのですが、自転車が通りにくくなるなどの市民の反発、政治家や運動家の介入、キュレーターや建築家のこだわりに振り回され、やっとこ2014年にグランドオープンを迎えるまでの騒動を追いかけています。
みんなに開かれた美術館を標榜しスタートした改修工事ですが、様々な利害が衝突しあい、作業そのものが進まないというのは、日本の公共事業などでもよく聞く話。アートに造詣の深いイメージのある欧州でも、自転車が通りにくくなる、という理由で200年の歴史ある美術館の改修がこうまで動かなくなるものか、と嘆息してしまいます。
しかし、これは公共建築とはだれのためにあるものなのか、という問いかけでもあります。ひいてはそれは民主主義とはなんなのかという本質にも繋がる話でもあります。

2:ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

(C)2014 Gallery Film LLC and Ideale Audience. All Rights Reserved.

(C)2014 Gallery Film LLC and Ideale Audience. All Rights Reserved.

こちらはイギリスが誇るナショナル・ギャラリーの運営の裏側を撮ったドキュメンタリー。アムステルダムは再オープンまでの苦難を描きますが、こちらは運営中の美術館の内部に迫る作品です。監督は巨匠フレデリック・ワイズマン。まるでそこにカメラがないかのように、人物たちが自然に振る舞う様を見て、映画を鑑賞する観客自身もその場に居合わせたかのような臨場感を味わえるのがこの監督の作品の特徴です。この映画が映すのは美術館幹部たちの戦略会議や、学芸員たちの熱心な絵画の説明(歴史の文脈を知ると絵画がまるで違うものに見えてくる不思議を味わえます)、絵画の修復作業や科学者による検証作業など、1つの美術館の持つ多様な機能をあますところなく見せてくれます。
美術館スタッフたちの芸術性とコマーシャリズムのバランスに苦心する様や、絵に対する畏敬の念など美術館運営の苦悩や悦びを垣間見ることができる貴重な作品です。

3:ヴァチカン美術館 天国への入り口

(C)direzione dei muse i – governatorato s.c.v

(C)direzione dei muse i – governatorato s.c.v

ヴァチカンにはいくつもの美術館や芸術作品を展示している建物があり、それらを総称してヴァチカン美術館を呼ばれています。(そのためバチカン美術館は常に複数形museumsと呼称されます)歴代教皇たちが収集・作成依頼した美術品が町中にあり、厳粛かつ荘厳な作品が数多く展示されています。そんなヴァチカン美術館の芸術作品を高精細の4Kカメラで撮影したのが本作。とにかくヴァチカンに収蔵される美術品の美しさをこれでもかと洪水に見せつけるような作品です。由緒ある芸術の数々を多用なアングルと照明テクニックで見せ、まさにヴァチカンの美を体感させるような作りになっています。

それぞれ異なるアプローチで撮られた3本の美術館ドキュメンタリー。見比べてみるのも面白いと思いますので是非この機会にご覧下さい。

【上映期間】
みんなのアムステルダム国立美術館:5/9(土)〜5/22(金)
ナショナル・ギャラリー 英国の至宝:6/6(土)〜6/19(金)
ヴァチカン美術館 天国への入り口(2D版での上映):6/6(土)〜6/19(金)
※上映時間はそれぞれの作品ページを参照してください。

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