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小谷忠典監督『フリーダ・カーロの遺品』&『LINE』舞台挨拶レポート

11/23(水・祝)、小谷忠典監督作品「フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように」と「LINE」の上映と舞台挨拶を行いました。小谷忠典監督のデビュー作である「LINE」と最新作「フリーダ・カーロの遺品」は密接な関係があるとのこと。「フリーダ・カーロの遺品」で主役となった石内都さんから多大な影響を受けたと語る小谷監督ですが、その胸の内を存分に語っていただきました。

「フリーダ・カーロの遺品」舞台挨拶レポート

小谷忠典監督。石内都さんの「Frida by Ishiuchi」を持参いただきました。

小谷忠典監督。石内都さんの「Frida by Ishiuchi」を持参いただきました。

「石内都さんは最も影響を受けた作家」と語る小谷監督。どの映画監督よりもその影響は大きかったそうです。小谷監督が石内さんの作品に触れたのは学生時代。「キズアト」写文集を偶然見つけ、わけもわからず涙が出たそうです。「自分の中の内面にある傷に気づかせたくれた本だった」と語る小谷監督。そしてその傷というテーマがデビュー作「LINE」につながったそうです。

そして、2012年に石内さんに映画を撮らせてほしいとお願いしたところ、メキシコにフリーダ・カーロの遺品の撮影に行くことを告げられ、同行することになったとのこと。
LINE」から「フリーダ・カーロの遺品」へのつながりは、テーマ的なつながりもさることながら、石内さんの感性に触発された監督と石内さんご本人との繋がりから生まれたもの。さらにそれが海の向こうのメキシコの作家、フリーダ・カーロにまで繋がる不思議な縁のようなものを感じさせますね。

小谷監督のメキシコの印象は、いろんなものが混ざり合って、陽気な国。道を聞いてもかならず教えてくれる、けれど全くデタラメで聞いたとおりに行っても目的地にはつかないそう。(笑)しかし、「仮面の国」と言われるメキシコは、ひとたびその愛想の良い仮面の下では泣いている、多くの侵略の歴史を持つ国だからこその複雑な感性を持った国だった、とのこと。

「LINE」舞台挨拶レポート

11月23日は、特別上映として小谷忠典監督の商業映画第1作の「LINE」も上映いたしました。本上映後にも貴重なお話をしていただきました。

th_小谷忠典監督舞台挨拶 - 14

本作は石内都さんの傷をテーマにした作品に触れて、そこから生まれた作品。本作を制作する以前はフィクションを作っていた小谷監督ですが、「ドキュメンタリーで自分の問題に向き合って」みようとしたのが制作の動機とのこと。当時、小谷監督は子供のいる女性とお付き合いしていたのですが、父親になることに対してブレーキがどこかで働いていて、その原因は自分と父親との関係にあるのではないかと感じ、父親にカメラを向けることを決意されたそう。

本作のテーマである「傷」を辿って、沖縄にも行かれた小谷監督。監督は大阪の大正区出身。大正区は沖縄からの移住者が多く住む工場地帯で、大阪でありながら沖縄に囲まれて育った小谷監督はそれが違和感で、行ったこともない沖縄が好きではなかったそうです。その理由を求めて沖縄に行き、沖縄のコザ・吉原の売春婦たちの身体の傷にめぐりあいます。そして彼女たちの傷に、自分の内面の傷を見たような感覚を得て、父親との様々な記憶を思い出したと言います。

そして、「LINE」と「フリーダ・カーロの遺品」の繋がりについて、テーマである「傷」によって繋がったものだと小谷監督は語ります。石内さんのキズアトに始まり、自身の傷のルーツを追った「LINE」が生まれ、「フリーダ・カーロの遺品」はカーロ、石内さん、小谷監督の3者が傷で繋がった作品なのだ、とのこと。

また自身のプライベートを赤裸々に映している本作ですが、元々見せるためではなく自分のために撮っていた私的なものだが、本作を上映して自身の私的な部分に共感してくれた方がたくさんいて、パーソナルな部分を突き詰めると普遍的なものにつながっていくことを実感したと言います。


上映終了後にはサイン会も実施。小谷監督、お疲れのなかありがとうございました!両作を通じて、当館とも繋がりができて嬉しく思っております!

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